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俳優の菅田将暉が主演を務める映画『キネマの神様』完成報告会見が、3月29日に都内にて行われ、主演の菅田将暉をはじめキャスト・スタッフが出席した。




菅田は作品を観て「ものすごいパワフルで。僕がゴウを演じていたときに想定していた出来事ではないのですが、沢田さんがパワフルで俺より動き回って大暴れしていて。そのときからすごいチャーミングで。ダメなんだけど色気があって人が、集まっていっちゃう、すごく魅力的なゴウだなと思いました」と、沢田の演技に圧倒されたという。


また、山田組について菅田は「撮影のシステムが執念の塊みたいな感じで、ほかの監督とは全然違うし、準備の仕方も時間の使い方も違うんです。山田さんが『考える』と言うので1、2時間くらい止まったりしますから。それも待ってくれるくらいキャスト・スタッフから信頼されていて。正直…気を使っている人もいましたが（笑）。それで撮ったものも翌日リテイクしたり、でも、俳優としてそこまで求めてもらえることがないので嬉しかったです」と、山田組での経験は俳優冥利に尽きると感じたようだ。




松竹キネマ合名社の設立、そして数々の名作を創り出した蒲田撮影所の開所を迎えた 1920 年から、日本映画史を飾る傑作、ヒット作の製作、配給、興行を続け、2020 年、100 周年を迎えた松竹映画。本作は、松竹映画 100 周年を記念した作品。監督は日本映画界を代表する山田洋次、原作は小説家・原田マハによる「キネマの神様」。ダブル主演を務めるのは、故・志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と誰もがその人気と実力を認める俳優・菅田将暉。2020 年 3 月 1 日のクランクイン以降、W 主演予定だった志村けんの突然の逝去、緊急事態宣言による撮影の長期中断、そして二度の公開延期。作品を届けたいと願う全ての人の想いが込めらそんな本作ついに完成し、松竹映画100周年記念作品として、2021 年 8 月 6 日に公開を迎える。


この日は、昨年、新型コロナウイルス肺炎のため亡くなった志村けんさん（享年70）の一周忌。


沢田の起用について、山田監督は「彼も悩んだと思いますよ。なんたって日本を代表をするコメディアンの志村さんですから。それが日本一のいい男だといっていい沢田さんが演じることになって。志村さんへの友情もあって引き受けてくれたと思います。驚くぐらい、彼は全部すらすらと台詞を頭に入れてきて、何度も何度も前の日から台詞を稽古していたんだろうなと、そういうことを思うことはしょっちゅうありました」と沢田の想いや熱量を感じ取ったようだ。そして「表面には見せないけど、彼は緊張し役のイメージを作り上げてきてくれたんだと思いますし、天下の二枚目の彼がダメな人間で、賭博依存症で、アル中でという姿を鮮やかに演じてくれた」と、山田監督は称えていた。


また作品にちなんで、映画館とはどんな場所かと菅田に尋ねると、少し考えながら「いまとなっては職場のようか緊張感もあります。映画を観ていると別の世界に行っているような気がして心地いい感じで帰れます」と、思いを明かしていた。


最後に菅田は「まさか山田洋次作品の真ん中に立つ状況になると思いませんでした。本来であればと言う出来事がたくさんあって、いま完成しましたと言えることが、1番の喜びです。個人的にもうまく言葉にできないくらいなので、もう1回しぐらいトークしたいです。公開も延びて、いろんなことを経てたくさんのメッセージが詰まっている映画なんで、観るべき映画になっていると思います」と、力強くコメントし、会見を締めくくった。
（写真・記事 オオタ･マコト）

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