映画『祈り ー幻に長崎を想う刻ー』高島礼子オフィシャルインタビュー到着
- 2021/08/20
- 11:00

【ニュース】
本作の全国公開を記念し、オフィシャルインタビュー第一弾として、鹿役の高島礼子が本作への印象、役作りや共演の黒谷友香の裏話などを語ったオフィシャルインタビューが到着。
ーー 台本を読んだときの印象は?
松村克弥監督は数多くのドキュメンタリーを手掛けている方なので、ドキュメンタリーの目を通した独特な演出があるのだろうなと想像しな がら読み進めました。“長崎を世界で最後の被爆地に”というメッセージがありながら、映画としての物語という印象でした。
ーー 本作への出演にあたりどのようなアプローチをしましたか?
私も含めて、古い歴史はしっかり学びますが、近代になるにつれてあやふやになっているという方が多い気がします。戦争に関しても広島 や長崎の原爆については知っていますが、戦後については知られていない。当時の死者数や悲惨さは伝わっているけれど、その後の被爆 者が受けた差別や抱えていた辛い思いについては十分に伝わっていない気がします。私も今回、いろいろとリサーチする中で知らなくて申 し訳なかったと思う部分がたくさんありました。戦争経験者や被爆者の方に会うことはできませんでしたが、作品の大きなテーマであるクリス チャンの方にあって、たくさんお話を聞くことができました。
ーー 具体的な役作りを教えてください。
導かれたとまでは言わないですが、偶然が重なりこの映画の出演に繋がった気がしています。例えば、大分放送で九州を紹介する旅番 組をやっているのですが、旅の最後は必ず長崎なんです。それだけ長崎は重要な土地なのだと実感していました。ちょうど映画のお話をい ただいた 1 週間後くらいにもさらなる偶然があり、長崎大学を訪れる機会がありました。長崎大学は近代西洋医学教育の始まりの場所 です。私が演じる鹿は看護師なので、見せていただいた資料写真は見るだけで悲惨さが伝わり、目を覆いたくなるようなものもたくさんあり ましたが、とても参考になりました。
ーー キリスト教も大きなテーマのひとつでしたが、どうお考えでしたか?
キリスト教に関しても、仕事で聖書を読む機会がありました。聖書は読んで簡単に解読できるものではありませんが、信仰を持つ人の強 みは鹿というキャラクターを通じて感じました。宗教の話というよりは、信仰心を描いている気がします。長崎の方は信仰心があるから頑張 ることができた。信仰心があったからこそ、隠れキリシタンたちの強い精神力で持ち堪えた。浦上天主堂再興の思いがあったからこそ、耐え て生き抜くことができた。それこそが信仰心の強さの現れだと思います。
ーー 作品を通して感じたこと、気づきはありますか?
戦争がテーマの映画には英雄が登場しがちです。この映画は戦争を扱っていますが、英雄は出てきません。ただただ“平和になりましょう”、 “仲良く差別なき関係になりましょう”と優しく語りかけています。メッセージはしっかりありつつも説教的ではありません。改めて女性はこの時 代から強かったのだと感じました。きっと遡ればもっと昔から強かったのかもしれないけれど、歴史には残っていない縁の下の力持ちとして、 女性の底力を見た気がしました。
ーー 娼婦と看護師、二つの顔を持つ鹿を演じるうえで意識したことは?
二面性があるとは思われたくないという気持ちでした。一人の女性が娼婦と看護師という二つの仕事を持っているというイメージです。女 性は母であり、妻であり、女であるのと同じような感じにしたいと思っていました。たまたま持っていた二つの職業に娼婦と看護師という違い があっただけ。娼婦を演じるときには色っぽくしなだれかかったり、いろいろとやりようはありますが、そうはしたくなかったです。鹿はキリシタンで あることを隠し切れていないし、娼婦にもなり切れていない、とても不器用な人。看護師のときに女性を知らない患者さんに自分を与えて しまうのは、信仰的にはルール違反だけど、彼女には彼女なりのルールがあります。マリア様に話しかけてもらえるような立場ではないという セリフには、自分は罪深きものという思いがあります。だけどそれをひっくるめて自分を一番わかってくれるのはマリア様だと思っているし、それ が彼女の拠り所でもあります。自分のことをわかってくれるマリア様がいるからこそ、どんなことでもできる。信仰がなかったら、鹿はどうなって いたか分かりませんね。
ーー W主演の黒谷友香さんの印象は?
すごく自然でいいなと思います。私とは違うタイプの女優さんという印象です。しっかりとリサーチをして、役に近づく努力をしているし、芝居 に信念があると思いました。私は、監督にアドバイスされると“分かりました!”と言われた通りに演じてしまいますが、友香ちゃんは自分で きちんと演技プランを立ててアプローチしているので、監督からのアドバイスに対して、自分の意見をしっかり伝えたうえで調整していきます。 自分にないところを持っているので日々勉強になりました。
ーー 美輪明宏さんのマリア様の声はいかがでしたか?
撮影中に“もしかしたら高島さんに声をやってもらうかも”と言われていました。私が読んで説得力が出るのかなどいろいろと考えていたので すが、監督やプロデューサーの狙いがあると思い、もし依頼されたらやらなければと思っていました。でも、“例えば誰がいいと思う?“と訊か れたときに、そういう相談をされたのは初めてだったので驚きつつも、私より年上で、母のように姉のように語りかけてくださる方がいいと伝え ました。出来上がった映像を観て”ぴったり!“と感動しました。”おっぱいあげるわね“なんてセリフ、美輪さんくらいじゃないとインパクトは残 せません。素晴らしいと思いましたし、作品が引き締まったという印象です。
ーー 作品の見どころを!
タイトルが『マリアの首』から『祈り ー幻に長崎を思う刻(とき)ー』を変えている点からも伝えたいメッセージを理解していただける気がし ていますし、戦争や原爆、平和について興味を持つきっかけになればいいと思っています。長崎が最後の被爆地となるよう、平和を訴えて いきませんか?という問いかけです。原爆や戦争をテーマにしていますが、最後はにこやかになったり、爽やかな気分で、鼻歌も出ちゃうよ うな作品です。滑稽なシーンもあるし、吹き出したっていい。感情にまかせて観ていただけるとうれしいです。それとプラスで、諦めないで頑 張ること、仲間がいることのありがたさが伝わるといいなと思っています。
出演:高島礼子/黒谷友香 田辺誠一/金児憲史/村田雄浩/柄本明/美輪明宏(被爆マリア像の声)
監督:松村克弥『天心』『サクラ花-桜花最期の特攻-』『ある町の高い煙突』 脚本:渡辺善則/松村克弥/亀和夫 統括プロデューサー:家喜正男
撮影:髙間賢治 美術:安藤篤 音楽:谷川賢作 プロデューサー:亀和夫/城之内景子 原作:田中千禾夫「マリアの首」(戯曲)
主題歌:「祈り」(新自分風土記I~望郷編~) 歌:さだまさし 制作協力:NHKエンタープライズ 製作:Kムーブ/サクラプロジェクト 協力:映画「祈り」を応援する会 後援:長崎市/(一社)長崎県観光連盟
2020 年/日本/110 分
©2021 K ムーブ/サクラプロジェクト
配給:ラビットハウス/K ムーブ
公式サイト:http://inori-movie.com
2021 年 8 月 20 日(金)より、シネ・リーブル池袋他全国順次公開中
出演:高島礼子/黒谷友香
田辺誠一/金児憲史/村田雄浩/柄本明/美輪明宏(被爆マリア像の声)
監督:松村克弥『天心』『サクラ花-桜花最期の特攻-』『ある町の高い煙突』
脚本:渡辺善則/松村克弥/亀和夫 統括プロデューサー:家喜正男
撮影:髙間賢治 美術:安藤篤 音楽:谷川賢作 プロデューサー:亀和夫/城之内景子
原作:田中千禾夫「マリアの首」(戯曲)
主題歌:「祈り」(新自分風土記Ⅰ~望郷編~) 歌:さだまさし
制作協力:NHKエンタープライズ 製作:Kムーブ/サクラプロジェクト
協力:映画「祈り」を応援する会 後援:長崎市/(一社)長崎県観光連盟
配給:ラビットハウス/Kムーブ
2020年/日本/110分
クレジット:(C)2021 Kムーブ/サクラプロジェクト
2021年8月20日(金)より、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー2021年8月13日(金)より、ユナイテッド・シネマ長崎にて先行公開
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