ヤン ヨンヒ監督『スープとイデオロギー』予告編が解禁! パク・チャヌク監督ら著名人からコメントも到着
- 2022/04/03
- 09:00

【ニュース】
公開に先立ち、予告編が解禁!予告編では、失われつつある母の記憶を描いたア二メーションや、『お嬢さん』『タクシー運転手 約束は海を越えて』などの音楽を手がけるチョ・ヨンウク氏の楽曲も一部使用され、ドラマチックな映画を彩る。 さらに、すでに公開されていた是枝裕和氏、キム・ユンソク氏、平松洋子氏らに加え、『オールド・ボーイ 4K』の公開も待ち遠しい現代映画を代表する巨匠・映画監督パク・チャヌク氏、 『息もできない』のヤン・イクチュン氏、「82 年生まれ、キム・ジヨン」(チョ・ナムジュ 著)などの翻訳を手がける翻訳家・斎藤真理子氏、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏らのコメントが到着。
ひとりの女性の生き様をとおして 国家の残酷さと運命に抗う愛の力を唯一無二の筆致で描き出す
年老いた母が、娘のヨンヒにはじめて打ち明けた壮絶な体験———— 1948 年、当時 18 歳の母は韓国現代史最大のタブーといわれる「済州4・ 3事件」の渦中にいた。 朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北 朝鮮へ送った。父が他界したあとも、“地上の楽園”にいるはずの息子たち に借金をしてまで仕送りを続ける母を、ヨンヒは心の中で責めてきた。心 の奥底にしまっていた記憶を語った母は、アルツハイマー病を患う。消え ゆく記憶を掬いとろうと、ヨンヒは母を済州島に連れていくことを決意する。それは、本当の母を知る旅のはじまりだった。
(C)Emi Naito
本作で私は、初めて家族と「南(韓国)」との関係を描いた。 『スープとイデオロギー』というタイトルには、思想や価値観が違っても一緒にご飯を食べよう、殺し合わず共に生きようという思いを込めた。1本の映画が語れる話なんて高が知れている。それでも、1本の 映画が、世界に対する理解や人同士の和解につながると信じたい。私の作品が多くの人々にとってポジテ ィブな触媒になることを願っている。
——ヤン ヨンヒ
監督は『ディア・ピョンヤン』『かぞくのくに』など、朝鮮半島と日本の悲劇的な歴史のうねりを生きる在日 コリアン家族の肖像を親密なタッチで写し続けてきたヤン ヨンヒ。本作ではクレイ人形やアニメーションを駆使して母が語ってこなかった記憶を鮮やかにスクリーンに照らし出す。音楽監督を務めたのは『お嬢さん』 『タクシー運転手 約束は海を越えて』など、名だたるヒット作を生み出してきたチョ・ヨンウク。 なぜ父と母は、頑なに“北”を信じ続けてきたのか? ついに明かされる母の 秘密。あたらしい家族の存在...。これまで多くの映画ファンを魅了してき た、あの家族の物語が、まったくあらたな様相をおびて浮かび上がる。
人々はヤン ヨンヒについて「自分の家族の話をいつまで煮詰めているのだ。まだ搾り取るつもりか」と後ろ指をさすかもしれません。しかし私ならヤン ヨンヒにこう言います。「これからもさらに煮詰め、 搾り取ってください」と。
彼女の作品たちは、単純に、ある個人についての映画ではありません。普通は対立すると思われる二つの カテゴリーの関係について問い続ける映画です。その目録はとても長い。個人と家族、個人と国家、韓国 と北朝鮮、韓国と日本、資本主義と共産主義、島と陸、女と男、母と父、親と子、新世代と旧世代、21 世紀と 20 世紀、感情と思想、そして何よりもスープとイデオロギー。
ヤン ヨンヒの母親、この老いた女性一人の顔を見つめながら、私たちはこれらすべてについて省察する ことができます。映画『スープとイデオロギー』は、ヤン ヨンヒのこれまでの作品のように、私たちが いつまでも噛み締めなければいけない思考の種を与えてくれます。ヤン ヨンヒは引き続き煮詰め搾り出し、私たちはこれからも噛み締めなければなりません。
——パク・チャヌク(映画監督)
オモニ(母)のレシピ通りにつくったあのスープの中には、どんな言葉でも語り尽くせないすべてが込め られている。
——ヤン・イクチュン(俳優・映画監督)
この映画は記憶に関する映画でもある。一人の人が持ちつづけた記憶も、持ちきれずにあふれた記憶も歴 史になる。歴史は一杯の巨大な器に入ったスープなのかもしれない。一人ひとりがその中に溶けているのか、一人ひとりの中にその器があるのか。どちらであるにせよ、このスープを大切に飲んで、飲んだこと を記憶しよう。
——斎藤真理子(翻訳家)
オモニは少しずつ、「忘れて」いく。押し込めてきたあまりに凄惨な記憶を、誰かと分かち、託していくほどに。「もう忘れてもいいよ」と言えるほど、オモニの、人々の背負ってきた歴史を、私は知らなかった。そして、「知らなかった」で終わらせたくない。
——安田菜津紀(認定 NPO 法人 Dialogue for People 副代表/フォトジャーナリスト)
新しい家族——映画『スープとイデオロギー』は、ヤン ヨンヒ監督の「家族ドキュメンタリー映画 3 部 作」の最終章だ。『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』で東京・大阪・ピョンヤンに分かれていた家族 は、大きな変化を経験する。日本人・荒井カオルの登場である。 真夏の大阪にスーツを着て、汗をかきながら現れた彼は、オモニ(母)が作ってくれた鶏スープを食べ る。彼はオモニのレシピに沿ってスープを作り、オモニをもてなす。複雑な歴史をもつこの家族の中に、この日本人は一歩一歩溶けこんでいく。
オモニは少しずつ、「忘れて」いく。押し込めてきたあまりに凄惨な記憶を、誰かと分かち、託していくほどに。「もう忘れてもいいよ」と言えるほど、オモニの、人々の背負ってきた歴史を、私は知らなかった。そして、「知らなかった」で終わらせたくない。
——キム・ウィソン(俳優・映画監督)
ヨンヒの作品を観ると、自分の家族について考えてしまう。 父と母は、旧満州からの引揚者だった。姉と兄は残留孤児になる可能性があった。 小学3年の時、父と母は離婚し新しい母が来た。その育ての母は、ヨンヒのオモニ同様に今は認知症だ。どんな家族にも、歴史がある。ドラマがある。日常がある。非日常がある。 ヨンヒの作品を観ると、自分の家族を思い出す。
——喰始(ワハハ本舗 作・演出家)
『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』『かぞくのくに』——これら宝石のような映画たちを観ながら、 私が最も驚かされ気になった人物はオモニ(母)だった。『スープとイデオロギー』は、まさにそのオモ ニについての物語だ。
——キム・ユンソク(俳優・映画監督)
監督・脚本・ナレーション:ヤン ヨンヒ
撮影監督:加藤孝信 編集・プロデューサー:ベクホ・ジェイジェイ 音楽監督:チョ・ヨンウク(『お嬢さん』『タクシー運転手 約束は海を越えて』など) アニメーション原画:こしだミカ
アニメーション衣装デザイン:美馬佐安子 エグゼクティブ・プロデューサー:荒井カオル 製作:PLACE TO BE 共同制作:navi on air 配給:東風
韓国・日本/2021/日本語・韓国語/カラー/DCP/118 分
(C)PLACE TO BE, Yang Yonghi
6/11土より[東京]ユーロスペース、ポレポレ東中野、[大阪]シネマート心斎橋、第七藝術劇場にて ほか全国の映画館で順次公開!
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