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映画『アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台』ワケありクセあり囚人たちが前代未聞の不条理劇に挑戦!? 予告編を解禁


【ニュース】
予告編が到着。映画『ホテルアイリス』(永瀬正敏主演)の予告編が100万回再生に迫る勢いでバズったことでも話題となった映像作家の遠山慎二がディレクションを手掛けた。予告は刑務所を訪れた売れない俳優・エチエンヌの悪戦苦闘からスタート。




エチエンヌは「負け犬たちが明るい未来を望む話だ」と、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を演目に選び演技レッスンを始め るが、囚人たちは茶化すばかりまともに相手にせず、刑務所の管理者からも呆れられる始末。しかしエチエンヌの情熱が徐々に周囲に 伝播していき、囚人たちも毒づきながらも稽古に奮闘、ついには大劇場での公演を迎えるまでがテンポよく描かれる。一方で刑務所 側の反発や、囚人たちの葛藤なども明らかに。終盤には大舞台での公演を迎える姿が。アプローズ(喝采)が鳴り響くなか、彼らは公 演を成功させることはできるのか?エモーショナルなクライマックスへの期待が高まる予告編に仕上がった。

昨年開催されたフランス映画祭横浜で、上映会場限定で公開されたエマニュエル・クールコル監督のインタヴュー動画も同時に解禁。 ユ二フランスのご厚意により、特別に情報公開が許された。 クールコル監督は、バイプレイヤーとして俳優の実績を積む傍ら、フィリップ・リオレ監督との共同脚本作品『マドモワゼル』や『灯台守 の恋』などで、繊細な心理描写を巧みに描写する筆致が高い評価を得ている。 実話を元にした本作の製作のきっかけについて、「受刑者たちがベケットを演じるということ、そして結末に驚いた」と明かすクールコル 監督。また実際に運営されている刑務所での撮影の苦労にも言及。刑務所スタッフ全員と打ち合わせを重ねるほか、事前にキャスト と刑務所を訪問したという。最後には「私がつくりたいのは、人間や人間性を信じる映画。私たちの時代ははすでに気が滅入る ものですから。それでも人々に何か明るいものを見せたい」と改めて本作に込めた思いを語った。 囚人たちと共に笑顔を浮かべる主人公・エチエンヌや演技指導の場面などを捉えた新場面写真も到着している。



『アプローズ、アプローズ 囚人たちの大舞台』は7月29日(金)より、 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、シネ・リーブル梅田、 なんばパークスシネマ、アップリンク京都、名古屋ミッドランドスクエアシネマなど 全国30館前後で同日初日スタートすることも決まっている。

事前の業界向けプレゼンテーションでも、先行して作品を観た興行関係者から は称賛の声が届いており、配給元にも予想外のオファーが多数寄せられている。



エマニュエル・クールコル監督インタビュー
○どこでこの実話を知ったのですか?
プロデューサーか聞いたんです。数年前彼からDVDを渡されました。 実話のドキュメンタリーです。
80年代のスウェーデンでの話です。 映画のすべきだと言われました。彼は正しかったですね。それでこの物語を使った今のフランス を語ろうと思いました。

○この話のどこに惹かれたのですか?
最初は単純にいい話だと思いました。刑務所の映画を作るつもりはなく国内の刑務所のことも知りませんでした。 受刑者たちがベケットを演じるというのは少しとっぴですし驚きました。 その結末にもです。それで映画にしたいと思いました。

○刑務所の世界をどのように調べたのでしょうか。
まず関係者に会いました。それから知人の俳優でエチエンヌのように受刑者に演劇を教える人に会いました。 されに撮影の舞台となった刑務所の文化活動のコーディネーターにも会いました。イレーヌ・ミュスカリです。 パリで上演されら受刑者たちの舞台を見に行きそこで彼女に会いました。彼女が扉を開けてくれ刑務所の演技のアトリエの参加させても らい何か月がかけてドキュメンタリーを撮影しました。 ですから現場で調べたといえますね。リアルな映画をするために観察する最高の機会でした。

○刑務所内の撮影で特別な問題はありましたか?
執筆活動から大変でしたよ。まずどのように演劇を映画に持ち込むのか。うまくいっている例は少ないですからね。 だから悩みながらベケット作品の断片を選びリハのシーンを書きアドリブの余地も残しました ただ練習して上演をするという線的な物語にとどまらなためです。
ドラマチックな動きを見つけて面白くて感動的なものにしたかった。
刑務所での撮影は大変でしたよ。 刑務所で撮影するというのは撮影のためにできていませんしまだ運用されている刑務所でしたから。 最大限のリアリティを求めるには入念な準備が必要で刑務所ん管理部やや職員全員との大仕事になりました。うまくいきましたよ。

○キャスティングについて教えてください
求めたのはフランスの刑務所の多様性を反映した、俳優ですそれがベースでした。 次に強い個性を持つ俳優を探しました。基本的には映画の中では登場人物の過去は語られません。個々の事情は不明です。 だから一目みて歩んできた人生を感じさせる人が必要でした。性格や話し方、体つき、気性からです。 風景画を作るように⻑身の人、太い人、黑人、白人、若者に年寄り複雑な個性を持つ人を配置していきました。

○テンポのいい映画です何度もリハーサルを行いましたか?
撮影前の3日間ベケットのリハをしました。私が映画のために抜き出した箇所です。演技の練習をするのと私の要望をわかってもらうためです。 大変だったのはプロの俳優たちと素人や新人たち受刑者たちが1つの作品で演じることです。 彼らは無統制で自然体の受刑者を演じつつ、一方で演劇やリハーサルの演技もしました。
不器用で実直ながらも進歩を見せる演技です。こではプロの俳優には難しい。 最初に演劇のシーンの準備をした後はリハはせず本読みをしました。自発的な要素を残しておきたかったからです。 生きたものにしたかった。アドリブも入れられるようにしました。

○主演にカド・メラドを選んだのはなぜですか?
彼は大衆的なコメディ映画でよく知られた俳優です。
でも彼は他のこともできる。そう知っていました。 カナルプリュスで放送されたドラマ「バロン・ノワール」に彼が出演していて政治家の役を演じていました。 その演技の中にエチエンヌを作る要素を感じたんです。 非常に頑固で気分屋でエネルギーにあふれ気前のよい人物です。エチエンヌ役にぴったりでした。

○脚本を読んだカド・メラドの反応は?
脚本の読んですぐにOKしてくれました。役にもこの物語にもすごく興味を持ってくれました。 それからは待ちました。この映画のテーマですよ。主演俳優の時間が空くのを待ちました。 カドは他の仕事で忙しかったのです。撮影に入るまで1年待ちました。その間に先ほど話したドキュメンタリーを撮りました。 それがいい準備になった。

○刑務所内での撮影は俳優たちに刺激を与えたと思いますか?
最初に彼らと一緒に刑務所を訪問しました。どんな場所がを見てもらい理解してもらいました。刑務所の雰囲気は非常に独特で強烈 に訴えてくるものがあります。
それから撮影を始めました。こういった条件の撮影現場はもちろん演技に影響します。

○刑務所を見た後で、脚本内容を変更しましたか?
実話に関しては演出家が演劇のワークショップに来るという大筋は変えていません。 「ゴドーを待ちながら」を受刑者の教え成功し、地方でも公演するという大筋は守りました。
私が作ったのは登場人物たちです。 そこが架空を部分で受刑者たちやエチエンヌは実在の人物ではありません。実際は全員違います。 スウェーデンの演出家ヤン・ヨンソンの演劇への情熱などの要素は多少残しましたが彼はもっと高齢です。娘の存在も架空のものです。 私がつくったのは人気が下降気味の俳優で刑務所のプロジェクトの巻き返しを狙っている。これはフィクションです。でも最終的にはかなりそ実話に忠実になりました。ヨンソン気に入ってくれました。 映画を見て感動していました。1週間前スウェーデンでの上映で彼に再会し元受刑者にも会えたんです。 実話に登場する元受刑者でエンドロールの最後の写真に写っています。彼も感動していました。これがこの映画の成功の証です。非常 にフランスらしいファッションでフランスの現実に即した映画ですが同時に普遍的な要素があります。 スウェーデンの演出家の心に響きましたし観客たちの心にも響くと思います。 この映画は世界中で公開が決まっています。30から35カ国で購入されました。さまざまな映画祭に参加しどこでもいい評価を受けまし た。様々な文化の人々に気に入ってもらえました。

○参考になった映画はありますか?
刑務所の映画を観ましたが”作りたくないもの”の参考になりました。脱獄や刑務所の日常なんでテーマは映画でもテレビでもありふれて います。だからすでに作られたものから距離を置くために映画を観たんです。私が目指したのはそういう映画ではなく演出するエチエンヌや 演劇的な視点から離れない映画であり受刑者たちがテキストや演劇、演出家と向き合う姿のみを見せる映画です。

○現実主義的なアプローチは重要でしたか?
ええ 実話と現実に忠実を描くためです。フランスでは先ほど話したようにドキュメンタリーも撮りましたが多くの刑務所が演劇のアトリエを 実施してます。もちろん外部の劇場で上演することは限りません。でもこの文化活動は行政にも認められていて非常に重要なものだと思 います。この現実から離れず忠実でいたかったし”こういう活動があるんだ”と人々に知らせたかった。刑務所の職員に話を聞いたり刑務 所の文化活動の携わる人々に話を聞くと皆言いますよ”このとおりです”と。

○映画において楽観性は大事ですか?
私はそう思いますよ。単純な映画でなくても高い要求を保ちつつ希望のある映画は作れます。絶望的な映画はたくさんありますが、その 分野では競争しません。いろんな映画がありますが私が作りたいのは何というか人間や人間性を信じる映画です。 私たちの社会、は私たちの時代はすでに気が滅入るものですから。 それでも人々に何か明るいものを見せたい。それは存在しますしそれに光を当てたい。
だから登場人物のやる気を削いだりしません。

○この映画を刑務所で上映しましたか?
はい、これからも上映しますよ。撮影した刑務所で1度見せました。 新型コロナウイルスのせいでストップしてましたが、でも2週間後にまた上映します。2回上映して受刑者たちに見せます。 それから来週は国立映画センターで上映します。法務大臣と文化大臣に見せるんです。これからも見られますよ。


カド・メラッド ([コーラス][オーケストラ・クラス])
タヴィッド・アラヤ / ラミネ・シソコ / ソフィアン・カーム / ピエール・ロッタン / ワビレ・ナビエ アレクサンドル・メドヴェージェフ / サイド・ベンシナファ /マリナ・ハンズ(世界にひとつの金メダル) ロラン・ストッカー(セザンヌと過ごした時間)
製作: ダニー・ブーン (ぼくの大切なともだち・俳優) 他
監督・脚本: エマニュエル・クールコル (アルゴンヌ戦の落としもの)
共同脚本: ティエリー・カルポニエ (パリ特捜刑事) 撮影: イアン・マリトー (アルゴンヌ戦の落としもの)
音楽: フレッド・アブリル (サウンド・オブ・ノイズ) 
主題歌: “I Wish Knew How It Would Feel to Be Free” ニーナ・シモン
日本語字幕翻訳: 横井和子 宣伝デザイン : 内田美由紀(NORA DESIGN) 予告編監督 : 遠山慎二 (RESTA FILMS)
[ 2022年フランス映画 | 105分 | フランス語 |シネマスコープ 2.29:1 | 5.1ch | DCP・Blu-ray ]配給 : リアリーライクフィルムズ
*スチール写真クレジット ©2020 – AGAT Films & Cie – Les Productions du Chʼtimi / ReallyLikeFilms - Photo ©Carole Bethuel *ポスタークレジット ©2020 – AGAT Films & Cie – Les Productions du Chʼtimi / ReallyLikeFilms
7月29日(金)公開

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