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世界初のレストラン誕生を描く映画『デリシュ!』が日本で大ヒットした理由!? ジャガイモ”に隠された秘密とは

【ニュース】
食欲の秋到来!! フランス映画が描く食材“ジャガイモ”に隠された秘密とは... 映画『デリシュ!』は、美食の国、フランスを舞台に、世界で初めてレストランを作った男の爽快な人間ドラマだ。



1789 年、フランス革命前夜。宮廷料理人マンスロン(グレゴリー・ガドゥボワ)は、自慢の創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったことが貴族たちの反感を買い、主人である傲慢な公爵(バンジャマン・ラベルネ)に解任される。失意を抱えた彼は、息子(ロレンゾ・ルフェーブル)を連れて実家に帰る。ある日、料理を学びたいという謎めいた女性ルイーズ(イザベル・カレ)が現れる。彼女の助けと息子の協力を得たマンスロン は料理を作る喜びを再び見出し、世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むとことに。店はたちまち評判となり、公爵が訪れることに...。


貴族と庶民が同じ場所で食を共にすることが考えられなかった時代に、世界で初めての「レストラン」はいかにして生まれたの か!? フランス革命と共に訪れる「食の革命」、世界初のレストラン誕生の秘密が今明らかになる。


日本では無名の監督・キャストながら観客の共感を集めスマッシュヒットしたフランス映画『デリシュ!』世界初のレストラン誕生を描くこの作品のヒットの理由を探ってみると“ジャガイモ”の存在があった!?
9 月 2 日より全国 11 館で公開された『デリシュ!』。公開週のミニシアターラン キング(小規模公開作品 週末観客動員数)で初登場 1 位、翌週も 2 位を維 持。現在もアップリンク吉祥寺で満席の回が出るなど、ハートウォーミングなストーリーから口コミや SNS での絶賛コメントが相次いだ映画『デリシュ!』。なぜこのノーマークの作品が人々の心を鷲づかみにしたのか、その理由を考察してみよう。

まず挙げられるのが、「世界で初めてのレストラン誕生」のキャッチだ。レストランは 今では誰でも利用する当たり前の存在だが、フランス革命期には美食は貴族の専売特許で、民衆が気軽に食を楽しむ場所はなかった。レストランの始まりは、革命の風に押し流された貴族が領地から逃げお抱えの料理人を置き去りにしたこと、平等思想の提唱によって民衆に広まり、貴族の食卓を豪華に彩っていた料理人の意識改革が進んだこと。平等の名のもとに貴族と大衆という階級の区別を廃し、訪れる者すべてに料理を提供するレストランが誕生したのだ。

現代では当たり前すぎてその起源を知る人が少ない中、人は平等であるべき、という今の人々の考え方と合致した想いか ら生まれた物語だからこそ、「格差社会」の時代を生きる現代人の共感を呼び、身近なものの知られざる側面に興味を持つに 至ったのかもしれない。そして重要なキーとなるのが「ジャガイモ」である。映画の冒頭、主人公の料理人マンスロンは、貴族の食卓にジャガイモとトリュフを使った創作料理「デリシュ」を提供する。何も知らずに口にした貴族たちは美味しいと絶賛、だが、聖職者が「ジャガイモは豚にたべさせておけ」と罵倒するや一変、その評価はどん底へと落ち、貴族たちに罵倒されてしまう。主人である公爵は体面を保つために彼にクビを宣告する。

「どうしてジャガイモを使っただけでクビにされるの?」と首を傾げた方も多いだろう。当時のフランスでは地面の下で育つジャガイモは家畜のエサとして使用されることが多く、豪華絢爛だけを目的とした貴族の食卓に並ぶにはあまりにも下等な食材であった。ただ、聖職者がジャガイモのことを否定するまでは、周りの貴族たちは大いに満足していたことから、彼らも不自由な階級 社会に生きていたということか。いずれにせよフランス革命期を舞台にしたこの“食の映画”は、ジャガイモで始まり、ジャガイモ料理「デリシュ」が革命の象徴となり、物語の核を担う“ジャガイモ映画”と呼んでも良いかもしれない。

世界初の「レストラン」と悪魔の食材「ジャガイモ」。日常生活に欠かせない当たり前の存在であるこの 2 つが、映画を観る ことで今まで知らなかったこと、として初めて触れるものに変わる。まさに食の革命が観客自身の中で起こっていたのである。そして、ジャガイモを使ったことで仕事を失った料理人マンスロンは、弟子となった女性ルイーズや息子が見守る中、やがて料 理することの喜びを再発見し、世界初のレストラン開業に向けて大奮闘を続ける。その姿が今を生きる観客に大きな共感を呼んだことは間違いないだろう。

フランス革命前夜、自らの表現を信じた料理人が起こしたもうひとつの”美味しい“革命はどんな展開を迎えるのか!


出演:グレゴリー・ガドゥボワ、イザベル・カレ、バンジャマン・ラベルネ、ギヨーム・ドゥ・トンケデック プロデューサー:クリストフ・ロシニョン & フィリップ・ボエファール 
監督:エリック・ベナール 脚本:エリック・ベナール、ニコラ・ブークリエフ 撮影:ジャン=マリー・ドルージュ 音楽:クリストフ・ジュリアン 2020/フランス・ベルギー/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/112 分 原題:DÉLICIEUX 
配給:彩プロ 
©︎2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS
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