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『ヒューマン・ボイス』より、ハイセンスなファッションとインテリアの数々が登場する本作の場面写真を一挙解禁

【ニュース】
ペドロ・アルモドバル監督が細部までこだわりぬいた、ハイセンスなファッションとインテリアの背景とは?
本作は、フランスの芸術家ジャン・コクトーの名作戯曲「人間の声」を翻 案し、初めて全編英語劇に挑戦した、ティルダ・スウィントンの一人芝居で魅せる 30 分間の短編作品だ。


本作は、監督がこだわりぬいたインテリアとファッションが随所にちりばめられており、観ているだけで眼福なハイセンスな装飾がほどこされている。ファッションにおいては 30 分 の中で 6 回以上の衣装の変更が行われ、デムナがデザインした「バレンシアガ」のものが大半を占めているーー冒頭のクレジット前の部分、オペラのプロローグ を思わせる演出になっているが、監督のお気に入りのトマトレッドの色合いが含まれるドーム型ドレスを着用したティルダが登場する。着用しているのは、バレンシアガのクリノリンドレス(2020 年春コレクション)。このドレスの着用理由についてティルダは「衣装デザイナーであるソニア・グランデは、私たちの前に、選択できる珍味の並外れた饗 宴を広げました。しかし、フィルムに必要なパーツ、色は非常に迅速かつ簡単に明ら かになり、それらはペドロの世界でその瞬間を求めていました。監督の世界観は、今ではそれ自体の特定の風景として非常に認識されているため、その詳細は、あたかも磁石によってその確立された空間の言語に引き寄せられるかのように選択されます。彼との撮影の経験を通して、私はその磁石の魅力を見つけました。同時にそれは予想外で新鮮に感じられました」と明かした。その他、ハードウェア店で着用された男性的な単色のターコイズ色のスーツ(バレンシアガ 2020 リゾートコレクション)・劇的な最終シーンの直前に選ぶ、金のラメパンツと黒い革のジャケット(ドリス・ヴァン・ノッテン)など、監督独自の色彩感覚で構成された豪華なスタイリングによって、幻想的な世界を作り出した。

この背後にある考え方について、本作で衣装を担当したソニア・グランデは「監督は退屈でありふれた服が嫌いです。彼は大変グラフィックでセンスが良いです。キャラクターがファッションで非常に間違った生活を送っている場合でさえも、異常にこだわります」と明かす。本作の主人公のように悲嘆に暮れ、落ち込んでいる女性が服を着替えないことは、実生活の多くの人々が絶望と同一視するものを模倣することになるので、衣装の変更頻度は「キャラクターの考え方と行動の根本的な変化、自尊心の回復、 より力強いパンクな女性」を象徴することを意図しているのだ。


また、色とインテリアのデザインも監督にとって非常に重要なもので、「監督にとって、色使いは常にもう 1 つの物語の登場人物であり、本作において必要不可欠でした」と美術監督のアンチョン・ゴメスは話す。今回、映画撮影用のサウンドステージの中に組み立てられている一室が舞台になっているが、この風変わりなセットに命を吹き込むために、思考を凝らしたという。「オープンに構築された空間のおかげで、物語全体を 通してキャラクターを追うことができました。コクトーの演劇により忠実になるように、サウンドステージで映画を上映することは監督のこだわりでした」と回顧。この独自の世界観を実現するために、明るいモダンな家具から原色の家具まで、世界中からよりす ぐりのコレクションを取り寄せたのだ。「ロサンゼルス、パリ、イタリア、マドリッドから集め ました。また、いつものように、監督のプライベートコレクションの作品も多数使用し ました。数々のインテリアたちは、主人公が直接関与していなくても、彼女はその一部であり、キャラクターとリンクしています」とコメント。絵画に関しては、寝室にあるアルテミジア・ジェンティレスキの「眠れるヴィーナス(ヴィーナスとキューピッド)」以外は、ほぼすべて監督自身の作品や私物で、その中の一点をティルダにプレゼントしたそう。「背面にメッセージを書いて贈ってくれました。驚くほどの寛大なプレゼントで、現在は私の自宅で誇らしげに飾っています。見るたびに純粋な喜びの衝撃を与えてくれます」と話した。他にもテーブル上には、是枝裕和監督作品『万引き家族』をはじめ、『キル・ビル』『ファントム・スレッド』『ティファニーで 朝食を』『風と共に散る』等、たくさんの DVD や書籍が置かれており、映画ファンには溜まらないアイテムも使用されている。ハイセンスなインテリアで彩られたセットは、アルモドバルの世界観を存分に引き出し、映画において欠かせない重要な要素であることが窺えた。


上段左:インテリア<・シャルロット・ペリアンの棚ユニット ・エットレ・ソットサスの花瓶> 
上段中央:インテリア<・ノルのオレンジ色のソファ ・エイドリアン・ピアソールの椅子 ・フォスカリーニのアップリケ ・ジョルジョ・デ・キリコ作「ヘクトールとアンドロマケの別れ」の複製(絵画)>

上段右:インテリア<・Morelatoのベッド ・アルテミジア・ジェンティレスキ「眠れるヴィーナス」の複製(絵画)> 


下段左:ファッション<・ドリス・ヴァン・ノッテンのゴールドラメパンツ&レザージャケット> 
下段中央:インテリア<・ジョナサン・アドラーの白いテーブル ・木製のコンソールテーブルはアルモドバル私物コレクション>ファッション<・シャネルのトート ・トム・フォードのサングラス ・バレンシアガのターコイズスーツ(2020 リゾート)> 

下段右:ファッション<・バレンシアガのリブ編みニット(2019 秋)>




監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 
原作:ジャン・コクトー「人間の声」
出演:ティルダ・スウィントン アグスティン・アルモドバル ダッシュ(犬) 2020/スペイン/英語/30分/カラー/5.1ch/ドルビーデジタル/アメリカンビスタ/原題:THE HUMAN VOICE 字幕翻訳:松浦美奈 G 
© El Deseo D.A. 
配給・宣伝:キノフィルムズ 提供:木下グループ
11 月 3 日(木・祝)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、新宿シネマカリテ 他公開


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