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映画『青春弑恋』物語の中心となる6人の登場人物の欲望と苦悩、場面写真を解禁

【ニュース】
エドワード・ヤン、ツァイ・ミンリャンに続く才能、今、台湾で最も注目を浴びるホー・ウィディン監督作『青春弑恋』(せいしゅんしれん)。ヤン監督のポストモダンの傑作『恐怖分子』(86)で描かれた、何の接点も持たない人々たちの間の奇妙な連鎖反応を描いた群像劇、と同テーマを デジタル時代にアップデートし、都市のミレニアル世代の若者の欲望と苦悩を野心的に描く。本作は、2021 年トロント国際映画祭ワールドプレミア上映で公開されるや高い評価を受け、同年の東京国際映画祭決定が決まるや瞬殺でチケットは完売した超話題作。

物語は、一見何の関係もない 6 人が互いに影響し合い、オンラインゲーム、インフルエンサー 、ポルノ、コスプレ、妄想、刀、恋愛のもつれをベー スに、台北駅の無差別殺人事件に巻き込まれていく。ここ数年、台湾の映画やテレビでは、若者が犯した凶悪な公共犯罪の後日談を取り上げることが 繰り返されるようになった。その事例を要とし、刺殺事件をきっかけに交錯する Z 世代ティーンエイジャーたちの人生に焦点を当てたのが本作である。主演は、心に闇を抱え権力を振るうストーカー役で強烈な毒気を放つリン·ボーホン。ジャッキー・チェンと共演した『ナイト・オブ・シャドー魔法拳』(20)など国際的に活躍する台湾期待の俳優。共演はムーン・リー。Netflix オリジナルシリーズ『次の被害者』(20)で台湾のエミー賞と言われ る「金鐘奨(ゴールデン・ベル・アワード)」最優秀新人賞を受賞。本作では心に孤独を抱える女性を情感たっぷりに演じている。撮影は『幸福都市』 (18)でホー・ウィディン監督とタッグを組んでいるジャン・ルイ・ヴィアラール。監督がイメージする大都会・台北の光と影を登場人物の心の機微とあわせて美しく描写している。劇中に流れる音楽はショパンの「夜想曲(ノクターン)」。その美しい響きでこの作品に漂うメランコリーをより一層引 き立てる。

一人の人間の行動が、身近な人間だけでなく、見ず知らずの人間にまで波紋を広げるという斬新なストーリーを、やがて巧みなサスペンスへと昇華する。残念ながら、ヤン監督はデジタル時代の到来を見届けることはできなかったが、ホー監督の敬意に満ちたオマージュは、巨匠が今日の世界をど う解釈していたかを、美しくも力強く示すことに成功している。


解禁された場面写真は、雨の中自転車を漕ぐ男、台北駅でヘッドフォンをしながら不安な表情を浮かべる女、楽しそうにする男女、ワイングラスを持ち想いに耽っている女優、タバコを吸うマッサージ嬢、部屋の中のコスプレイヤーと物語の中心となる登場人物の6人。まさに映画でも描かれている都市のミレニアル世代の若者の欲望と苦悩が場面写真からも感じられる。

本作の監督を務めるホー・ウィディンは、「本作の中国語タイトルの最初の言葉は「青春」、残りは「弑恋(しれん)」と読むのですが、言葉遊びとして、「弑恋」は同じ発音の「試練」にかけているのです。つまり、青春(若者)の試練という意味にもなっています。」とタイトルの意味を語っている。


監督:ホー・ウィディン
脚本:ホー・ウィディン/ナターシャ・ソン
撮影:ジャン・ルイ・ヴィアラール
編集:ヒューイ・リー/ホー・ウィディン 
音楽:チアー/シュー・ユーイン/ドアン・シンユー 出演:リン・ボーホン/ムーン・リー/リン・ジェーシー/アニー・チェン/ヤオ・アイニン/ディン・ニン 
2021年/台湾/北京語/カラー/シネスコ/5.1ch/127分/原題:青春弑戀 ©2021 CHANGHE FILMS LTD. 日本語字幕:島根磯美/字幕協力:東京国際映画祭/後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター 
パブリシティ:金紀恵/配給協力:クレプスキュール フィルム/配給・宣伝:2ミーターテインメント(2MT)
3 月 24 日(金)公開

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